直接授乳が思うように出来ないことを理由に、相談室を訪れるケースは少なくありません。確かに陥没乳頭・扁平乳頭など吸わせにくそうな形態ではあるものの、本当に吸えないというケースは意外と少ないものです。かえって、「これは吸いにくそうだから、補助乳首を使いましょう。」などと早期から間接的な方法を選択してしまうことで本当に直接授乳困難に陥ってしまうケースが少なくありません。
哺乳瓶の乳首はたいてい細長く出来ており、赤ちゃんにとって吸いやすい状態になっています。しかし、お母さんの乳頭はそれとは違います。まして陥没乳頭・扁平乳頭であれば、赤ちゃんが哺乳瓶の乳首に慣れてしまってから矯正するのは難しくなってしまいます。ですから、赤ちゃんが初めて口に含むものは、なるべくお母さんの乳頭にしましょう。出産直後の張っていない状態であれば、陥没乳頭・扁平乳頭だってかなりの確立で吸えるものです。
哺乳瓶の乳首とお母さんの乳頭は別物ですから、実は吸い方も異なります。併用することにより、お母さんの乳頭の吸い方が解らなくなってしまう赤ちゃんもいます。ですから、なるべくなら哺乳瓶を使用しない方が良いでしょう。これは、決して不可能なことではありませんし、病院によっては、哺乳瓶を使用しないということを徹底している所もあります(何かを追加する場合は、哺乳瓶以外のものを利用しています)。
なかなか吸わせられないでいるうちに、どんどん母乳が出なくなってしまい、とうとう母乳育児を断念される方が少なくありません。これはとても悲しいこと・・・。何か方法はあるはずです。一人で悩まずに、お近くの専門家にご相談ください。早ければ早いに越したことはありませんので、まずは行動を!
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