「子どもの体重の増えがあまり良くないんです。母乳が足りていないのではと心配で・・・。」このような主訴で相談室をご利用になる方は、毎年利用者の約半数にも及びます。乳児健診などで体重増加不良を指摘され、ミルク量を増やすよう指導されるケースは、多いのではないでしょうか。
ご利用くださる方の中には、こんなに体重が増えているのになぜミルク追加が必要なんだろうと、不思議に思ってしまうケースが少なくありません。残念ながら小児科医(あるいは保健師・助産師等)によって、体重増加不良の判断基準が異なる為です。よく耳にするのは、『1か月健診までに、生まれた時の体重+1kg増やしましょう』ですが、実は、そこまで増やす必要はありません。母乳だけで育つ赤ちゃんの体重増加について以下にまとめてみましたので、ご参照ください。
●ILCA(国際ラクテーションコンサルタント協会)
・生後14日までに出生体重に戻る
・体重が出生体重の2倍になるまでは、1週間に120~240gの体重増加
●WHO/ユニセフ
・生後6か月頃までは1日の体重増加は18~30g
・1週間の体重増加は125g以上
・生後5~6か月で出生体重の2倍、1年で3倍
・生後5~6か月になるまでは、1か月の体重増加が500g以上
又、新生児の1日の体重増加を計算する場合、生まれた日からの計算だと生理的体重減少がある分計算上損してしまいますので、体重が増え始めた日、あるいは退院なさった日から計算されると良いでしょう。
特に初産婦であれば何事も初めてですから、これで良いのかしらと不安いっぱいだと思います。医療従事者の何気ない一言に一喜一憂するのは言うまでもありません。『喜』なら良いのですが、『憂』なら困ります。出来れば、母乳育児にご理解のある小児科医がいる施設での乳児健診をお薦め致します。
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