第12回 【 乳頭痛 】

乳頭痛を主訴に、相談室をご利用される方が少なくありません。

原因として考えられることはいろいろとありますが、出産後間もない方であれば、授乳時のポジショニングがあげられるかと思います。お子さんの口とお母さんの乳頭の位置関係が合っていなければ、浅く吸われてしまったりゆがめた形で吸われてしまい、その結果乳頭損傷につながってしまうことがあります。これは、後々様々な症状を引き起こす場合がありますので、早期の対応が重要です。産院での適切な指導が求められます。

次に考えられるのは、母体側の問題です。乳頭の形によって、吸いやすい・吸いにくいということは否めません。が、出産後間もない時であれば、乳頭・乳輪は柔軟である場合が多いので、哺乳瓶の乳首に慣れていなければ、案外スムーズに吸えるものです。
ところが、直接授乳開始が遅いと、それまでの数日で乳房緊満が著明となり、乳頭がしっかりと突出している場合でも、吸わせにくくなってしまい、亀裂や水疱、血腫などといった症状により、直接授乳が困難となってしまうケースが少なくありません。
また、必要以上に哺乳瓶を使用することで、お子さんが乳頭混乱状態となり、不適切な吸着をされると乳頭を傷めることにもなりますし、おかあさんの乳首を嫌がってしまうお子さんもいるほどです。お母さん側にもお子さん側にも特に問題がなく、早期に授乳開始が可能であれば、是非早期授乳をやって頂きたいと思います。

産後数週間から数か月経過してからの乳頭痛は、慢性的に乳房のコンディションが悪くなったことから出現するケースが見られます。白斑もその一つです。これは非常に難しく、この薬を飲んだら、塗ったら治りますという特効薬はありません。根本的に授乳や生活を見直していただく必要があるのではないかと思います。
しかし、中には、いろいろと気を付けていらっしゃるのに白斑ができてしまうというケースも見られます。このような方は、体質の関係もあるのかなと思われます。

一番厄介なのは、ぱっと見て傷らしい傷はないのに痛いというものです。案外、白斑が隠れているケースもあります。

痛みを我慢しながらの授乳は、母体の神経を擦り切れさせてしまいます。母乳分泌にも影響します。なるべく早期に適切な対応が望まれます。専門でやっているお近くの相談室をご利用になってみてください。

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